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親子で学ぶ小学生からの防犯・防災 | 安全教育について考える(3)

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(小学校中学年からは塾やお稽古事もはじまり、一人で出かける・帰りが遅くなることもある。日常生活の様々なところに潜むリスクと、冷静な対応を教育すべき時だ。)[画=photoAC/はむぱん]

前回の記事では、主に幼稚園〜小学校低学年の間に学んでおきたい、生活安全・交通安全・災害安全についてまとめていきました。今日は小学校中学年(3年生)以上になったら学んでいきたいこと、コンテンツをご紹介していきます。

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小学校中学年からは学び・判断力を育む

小学生は発達段階の中でも、比較的周囲からの教育を素直に受け止める時です。そこで、小学校に入ってからはルールや先生・親の言うことを聞く姿勢を身につけていきます。好奇心が広がり、中学年に差し掛かると、調べ物をすることができるようになり、少しずつ自らの頭で考え、疑問を持つようになります。親子で家の周りの環境を調べて防犯防災マップを作成したり、イベントや講習会に参加して研究するのも良いでしょう。

子どもが狙われるポイントは?

街のどんなところにリスクがあるのか、子どもに考えさせるにあたり、大人も学ぶ必要があります、警視庁の防犯チェックポイントのページでは、家の周辺でどのようなシチュエーションで子どもを狙った犯罪が起こるのかをイラスト付きで紹介しています。特に児童を狙ったわいせつ事例のパターンが詳細に書かれており、思わず背筋が凍るご両親も多いはず。1〜2分で読める内容になっています。

・マンションのエレベーターに乗ったところで、閉まる直前のドアを開けて男が押し入りわいせつ行為をされた

・自宅ドアを開けた途端、後ろから押し倒された

・宅配便や集金を装った男に玄関ドアを開けさせられ押し入られた

・エレベーターから階段の踊り場に無理やり連れてかれた

・自宅の開けっ放しの窓から侵入された

・自転車置き場に自転車を置こうとしたら後ろから抱きつかれた

小学生以下の子どもが被害に遭うのは、16時台がピークで15時~17時台が多く、場所は道路や集合住宅の共用部分に集中しているといいます。「陽が出ているので大丈夫」と思わず、自宅周辺や子どもの行動範囲の中に危険は無いか、一緒に子どもと歩いて考えましょう。また子どもが何か別のことに夢中になって狙われていることに気づかなかったり、普段とは違う道を使ってみようとしたり、ということも十分にありえます。基本は一人で出歩かないこと。一人になる場合は周囲を十分に警戒することを徹底させるようにしたいものです。

防犯・防災「安全マップ」を作る

学校で自宅の周りの安全マップを作成させるケースもあります。もし機会が無ければ、夏休み・冬休みの自由研究に親子で作るのも良いですね。東京都が公開している地域安全マップ作製指導マニュアルでは、主に学校現場でフィールドワークを通じ、子ども達に安全を考えさせるための指導方法を紹介しています。

岡山県の学生服メーカーのオゴー産業では、セコムの後援の下、毎年全国安全マップコンテストを開催しています。こういった機会を利用してみるのも盛り上がって良いですね。

防災体験をする

小学校中学年以上からは、地震や津波・台風などの自然災害について、その仕組みを学校で学ぶようになっていきます。近隣の消防署などと連携し、避難訓練を実施したり、消防士さんの講和を聞いたり、実際に地震の揺れや火災時の煙が体験できる車が校庭にやってきて、児童の体験機会を設けている小学校もあるでしょう。

親子で防災体験をしたい・学ぶ機会を設けたい、ということがあれば、東京・豊洲にある、東京臨海広域防災公園には、災害学習施設"そなエリア"があります。子ども達にも分かりやすく、また大人も学べる要素が満載。お台場・豊洲方面に遊びに行く際には、レジャー・プログラムの一つとして加えると良いでしょう。また、行って満足するだけではなく、自由研究にしたり、日記に書いたりと、振り返り・定着させる機会を持たせるのがベストです。

www.tokyorinkai-koen.jp

インターネットのリスクを学ぶ

2017年から大きな社会問題となっている、SNSで児童にわいせつな自撮り写真を送らせる児童ポルノの事件。検挙数は1年間で1,000件を超えているといいます。親のスマートフォンを触らせてもらうところから始まり、子ども達は親が気づかない内に、どんどんテクノロジーやインターネットを使いこなすようになります。

早い段階でどのようなリスクがあるのか、どう自衛すべきかを親子で学ぶ必要があります。SNSでクローズドだと思っている場でも、自分の氏名や住んでいるところの情報、個人の顔や自宅周辺が写り込んだ写真をネットに載せないことは勿論のこと、スマホカメラにはGPS機能がついており、写真に撮影地点情報が掲載されていることもあるので思わぬところに落とし穴があることを注意する必要があります。

特にネットやテクノロジーのリスクは親のリテラシーも後手に回ることが多いので、積極的に親子で研究していく必要があるでしょう。

 

今日は小学校中学年以上で学びたい、身近な安全について取り上げました。次回は中学生・高校生の安全教育を考えます。

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[文責=くぼようこ]

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