Educedia(エデュケディア)

"教育"をテーマに日々ニュースやキーワードを解説します。

就活戦線、人事の目線

f:id:educedia:20180301070841j:plain

(就活解禁。今日は自己分析・企業分析のポイントについて、採用責任者の経験から解説します。)[画=photoAC/acworks

3月1日、就活ナビサイトが正式オープン。企業へのエントリーや採用説明会への申込も始まり、新卒採用が解禁となりました。人事担当として最低限、就活生に押さえてもらいたい、就活「基本のキ」とは。

就活で勝つためには、この3つを徹底的にやることが重要

①自己分析 ②企業分析 ③振る舞い方・会話練習

この3つは就活の基本中の基本。しかし、意外に何をすべきかクリアに分かっていない、迷っている就活生の方が多いと感じます。ここからそれぞれ、何をすべきか、ポイントをクリアにしていきましょう。

①自己分析

筆者も就活生時代、「自己分析」の本当の意味を知らないままやっていたので、ウツになっていました。

よくある自己分析の誤った理解

アピールポイントを考えようと、目立った実績やエピソードを探してしまう人がいます。リーダー経験が無いと焦る、短所にばかり目がいって落ち込んでしまうこともあります。また「やりたい仕事が見つからない」状態に陥り、自分探しに出てしまうことがありますが、これは間違い。

自己分析は、自分を採用市場で端的に紹介できるよう、客観的に整理すること。感情や先入観を抜きにして、たんたんと事実を書き上げていくことが重要なのです。

自己分析のポイント

自己分析では、以下の3つをとにかく心がけることです。

事実を数値でまとめる

アピールポイントを見つけようとして自己分析を始めると、先入観により良いエピソードを見逃してしまう可能性があります。まずは、とにかく数値で書き出すようにしましょう。

大学1年生から1年ずつ振り返ります。週何日・何時間、何を勉強しましたか?大学が終わった後は、何をしていましたか。どんな些細な行動でも構いません、それに週何時間費やしましたか。振り返る内に、「あ、こんなこともやったな」など思い出すかもしれません。脇にメモしましょう。でもそれを深掘りするのはまだガマン。とにかくかけた時間を克明に書き出してください。ついでに嫌な思い出が蘇ってきたならば、ソッとその記憶に蓋をしましょう。

短所ややらなかったことに目を向けない

短所は長所をひっくり返せばできるので、考えなくて良いでしょう。そして、出来なかったこと・やらなかったことにも目を向けないことです。

「大学1年の○月に○○ゲームが発売になって、100時間ぐらいプレイしちゃったなー。15時間ぐらいぶっ続けでプレイしてたなー苦笑」まで思い出せたら、むしろ良い調子。時間をムダにした、と仮に思ったとしても、判断や感想は脇に置きましょう。取捨選択せずにどんどん書きます。

話題・エピソードは豊富に見つける

自己分析のメリットは「意外に自分はこういうところで時間を割いてたな、工夫や苦労したな」ということが見つかること。文化祭実行委員や学生団体をやっていた、留学をした、などのエピソードは確かに分かりやすいアピール点かもしれません。しかしそれを大学3年、36ヶ月間の全てとして紹介するのは危険です。コツコツ続けたアルバイトの方や大学での勉強にも、豊かな蓄積がある可能性があります。

企業は、エントリーシートを間口に、面接を通じて就活生の様々なエピソードや良い点・特徴を引き出そうとするものです。エントリーシートは、話題提供のための素材と捉え、話題は散りばめられた方が有利です。その話題を多く自分の中から見つけるために、一つの実績やエピソードに固執しないように・そして必ず数値で見える化しましょう。

②企業分析

続いて企業分析について。企業分析が上手く出来ない・やらなければいけないことが分からず戸惑っている就活生が多いように感じます。

まずビジネスモデルを理解

企業分析にあたっては、その企業のビジネスモデル=何をどうやってお金を稼いでいるかを知ることが第一歩です。もう少し踏み込むと、その企業の商品は何か、どんなお客様がいて、どう売るのが最も利益が高いのか、を研究するのです。

例えば飲料メーカーを例に挙げます。ジュースを売っているとして、お金をそのメーカーに払うのは誰でしょうか?この質問に「消費者」と答えて終了では惜しい。ジュースはコンビニ・スーパーや自動販売機で購入できます。また、ファーストフードでも購入できます。私たち消費者がメーカーに直接お金を払う機会は、実は少ない筈なんです。

では、コンビニ・スーパー・自動販売機・飲食店、それぞれそのままメーカーは商品を卸しているのか?間に卸が入っていますよね。それぞれその企業にとってどの程度の利益になっているのか?縮小している販路や今後拡大したい販路はあるのか?etc. まずはググるところからはじめて、疑問が沸いたらつどメモしておきましょう。その疑問はOBOG訪問でぶつけてみることです。

次に企業理念・創業理念

ビジネス、というとお金儲けを想像してゲンナリしてしまう方もあるかもしれません。考えをひっくり返しましょう。社会の役に立てなければお金は得られないものです。したがって、ビジネスを通じてその会社がどのように社会に貢献しようとしているのかは、企業理念・創業理念を学ぶことによって理解することができます。大企業なら、創業者烈伝が書籍になっていることもあるでしょう。ホームページを見れば、企業理念が書かれています。「どこの企業理念も一緒に見える」などと侮ってはいけません。最終面接に近づくほど、企業理念に共感している、組織の中枢人物が登場するもの。必ずその企業が誇りに思っている点があるので、本命企業ならしっかりと理解しておくことです。

企業研究の精度は、エントリーシートの志望動機を読めばすぐ分かるもの。志望動機の書き方に悩む方は、企業研究のインプットが足りていない可能性があります。

③振る舞い方・会話練習

「人は見た目が9割」と言いますが、本当にその通りだと感じます。人事・採用担当をしていると年間何千人の方々とお会いするので、例え同じリクルートスーツに身を包んでいたとしても、皆さん同じには見えません。

採用側は、目線の配り方、姿勢、歩き方、語尾、表情。実は言語化された情報の外に、たくさんの情報を読み取っています。そしてこれは、既に皆さんのこれまでの人生に刻み込まれているので、修正するのに苦労します。

基本的なことですが、身だしなみや堂々と胸を張る、落ち着いて全体にまんべんなく視線を配るなどの振る舞いは重要です。相手と目を合わせて会話ができない方も多くお会いします。相手に媚びるように見上げる癖があれば、修正した方が良いでしょう。「〜です」「〜ます」の語尾が強すぎる、「〜の」など助詞で音を伸ばしてしまい幼く見えることも、自分では気づきにくいものです。想定外の質問が来ても、落ち着いてふるまえるようになるためには練習あるのみ。繰り返しロールプレイをし、客観的に修正してもらえる機会を持つと良いでしょう。

今日は就活戦線、人事の目線と題して、基本の3つについて解説しました。

 

[文責=くぼようこ]

 Educediaは主宰者の研究・論考を目的としています。記事に含まれる情報は、読者の皆様ご自身の責任においてご利用ください。また、本記事の情報は記事公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性があります。

他、転載や引用については「サイトポリシー」をご覧ください。

[関連記事]

www.educedia.org

www.educedia.org

Educedia Twitterアカウント @educedia

記事のアップデートや注目のトピックスをご紹介します。

twitter.com

 

※Educediaは主宰者の研究・論考を目的としています。記事に含まれる情報は、読者の皆様ご自身の責任においてご利用ください。また、本記事の情報は記事公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性があります。 他、転載や引用についてはサイトポリシーをご覧ください。