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米国の大学事情・入試制度

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(アメリカの大学では、入試で問う付け焼き刃の知識よりも、学習経験や個性・価値観など、人生の豊かな蓄積が問われる。卒業判定も厳しく、身の丈に合わない大学に入学しても退学率は高い。)[画=photoAC/akizou

SGHやSGUなど、日本国内の高校生・大学生の国際教育が進む中、実際に海外の大学へ留学を考えた場合、気になるのは大学生活や入試の仕組み。今回から複数回にわたり、諸外国の大学生活や入試制度について見ていきます。今日はアメリカ(米国)がテーマです。

米国の大学事情・入試制度

米国大学には日本で言うところの「偏差値」がありません。

それは一辺倒の試験で定量評価するのではなく、その学生の個性や学びの意欲などを定性的に評価することが重視されるため。日本とは全く異なる入試制度と大学での生活を見ていきます。

米国の大学事情

米国の年度の始まりは9月。9月〜5月までをアカデミックイヤーと呼び、 6〜8月が夏休みです。2学期制(セメスター制)と4期制(クオーター制)があり、セメスター制が一般的です。

大学4年間は前半2年間を一般教養の学習に充て、その後専攻を決め3年目からの2年間で専攻分野の学習を行うのが基本。そのため米国では、専門領域の学習や研究は大学院から本格的にスタートする、という印象があります。

成績の判定は非常に厳しく、米国大学が入学は易しく卒業が難しいと言われるのはそのため。出欠や事前予習も問われ、平均点以下を2回とると退学になるような厳しいケースもあります。

米国の大学入試制度

米国の大学では日本のセンター試験のようなものはなく、これまでの高校生活を通した成績や、学生の個性・人柄、勉強外での活動を問うものに加えて、英語読解・理数試験が行われます。

①GPA

高校3年間(米国では4年間)の成績のことです。

4点満点で3.75以上がエリート大学に入学可能な水準。日本では5点満点方式の高校が多いのですが、その場合はオール5が基本で一部4、という程度がボーダーラインとなります。

GPAは米国だけではなく諸外国の入試でも重視され、帳尻あわせの成績ではなく、どれだけ学習意欲を持って高校生活を過ごしてきたか、その成熟度が問われます。

②エッセイ

自分自身のアピールポイントや大学で学びたいことなどについてまとめた文章です。

③課外活動

勉強以外の、部活動や生徒会、ボランティアなどの学生生活における活動を表現します。

④推薦状

担任の先生+ほか教科の先生など、2名からの推薦状が必要です。

⑤SAT/ACTTOEFL/IELTS

英語力と理数力の基礎学力を問われるSAT/ACTと留学生は英語力を問うIELTS/TOEFLの2種類の試験結果の提出が必要です。

・SAT

英語の読解力、筆記、そして数学力が2,400点満点で問われます。

英語ネイティブを対象とした試験のため、英検1級レベルの学生でないと難しい試験です。レベルの高い大学を受験するのであれば、2,000点以上取れることが良いとされます。

・ACT

SATが主流ですが、ACTも多くの大学が導入しています。英語(語彙・文法)、読解、数学、科学、エッセイの5科目で成り立っており、SATと比較するとやや英語は易しくなると言われます。

・TOEFL/IELTS(アイエルツ)

英語圏への留学を志す生徒の語学力を測る試験として用いられるのが、TOEFLIELTSです。米国留学ではTOEFL、英国やオーストラリアはIELTSが多く用いられます。

 

次回はオーストラリアの大学事情・入試制度を見ていきます。 

>>次の記事「オーストラリアの大学事情・入試制度」

[文責=くぼようこ]

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