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自分に向いている暗記方法は?「認知特性」に注目 | 認知科学の基本(2)

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(最近観た映画のストーリーは思い出せないけど、1シーンは印象に残っているという人、外国語の勉強はCD学習が効果的だと感じる人。人によって記憶のやり方は違う。)[画=photoAC/ひでちゃびん

前回記事では、人の記憶には意図して・意図せず学習するもの、記憶が保持される時間の長さの違いがあると紹介しました。今日は人によって記憶の仕方に違いがある、ということについて。

<<前の記事「記憶の仕組み | 認知科学の基本(1)」

6つの認知特性

例えば異動で新しい部署に配属された時、合コンで知らない人達と食事をした時、新学期に新しいクラスで40人の生徒を迎えた時。

どのように人のことを覚えますか?

名刺や名簿をじっと見て、名前の字面で覚える人、名前の響きで覚える人、顔や表情で覚える人、その人が動いている姿を想像する人。さまざまなタイプがあるでしょう。

このように、人が何かを覚える時の方法「認知特性」は、視覚・聴覚・文字や図の大きく3パターンがあり、さらにそれぞれ細かく2つに分けられます。

視覚優位型

目で捉えた情報がそのまま記憶に焼きつく人には、写真のような1カットで覚える人と、映像のような流れで覚える人の2種類があります。

写真のように瞬間的な絵で覚える人は、例えば最近観た映画について思い出す時に、ストーリーはうろ覚えだけれど、情景が思い浮かんだりします。あるいは、誰もがよく知るアニメのキャラクターを描いてみて!と言われて、比較的特徴を掴んで描けるのがこのカメラ型です。

一方、物事を映像で覚える映像型の人は、映画の1シーンを思い出す時、主人公の動きやカメラワークなども含めて思い出すことができます。奥行きや立体物をよく認識できるので、現実の人の顔を覚えるのが得意だったり。

聴覚優位型

一方で、聴覚情報に強い人もいます。

例えば英語や第二外国語を学習する際に、会話のテープを繰り返し聞くことで覚える、ラジオ型の人。

メロディをつけると覚えられるサウンド型の人もいます。特徴は絶対音感があり、一度聞いたメロディをすぐに再現できること。

サウンド型は少し特異な才能のように感じられますが、一般の私たちにも似たような記憶経験はあるはず。

例えば小学校低学年の時、九九を覚えづらくて、節をつけて歌うことで覚えた、なんて人はいませんか?メロディを使って暗記するのは、聴覚による記憶方法を上手に活用したことになります。

言語優位型

文字で覚える辞書型の人と、文字から映像やシーンを想起して覚える言語映像型の人がいます。

辞書型の人は、文字で読んだ情報を図式化して理解したり、文章全体を論理立てて頭の中で整理して理解していくタイプの人です。

また言語映像型の人は、文字情報からイマジネーションを広げていきます。物語を読むのが好きで、読みながら情景を想像するようなタイプです。

自分や子どもの優位な認知特性を知って効果的に学ぼう

ここでは分かりやすく6つに分けて紹介した認知特性ですが、多くの人が複数の認知特性にまたがっています。特性を掴むことで、自分にとって楽な方法で勉強を進めることができるでしょう。

また子育てにおいても、認知特性を理解するとさまざまなアプローチが可能になります。

例えば本を読むのが嫌いな子どもだったら、少し読んだら情景を想像できるよう問いかけてみたり、読み聞かせることで音で内容を捉えられるようにすると、関心が持てるようになってくるかもしれません。

また、認知特性とは異なりますが、人は感情の動きを伴うと、強く記憶に残ると言われています。喜怒哀楽を司る扁桃体の働きによるそう。

嬉しい思い出、サプライズのお祝いなどが強く記憶に刻まれるのは、そういうわけでしょう。

 

今日は「認知特性」について調べていきました。

書籍やWebサイトでより詳しい特徴や、自分がどの認知特性のタイプか調べることもできます。

本田40式認知特性テスト 診断ツール

筆者は「カメラ+辞書タイプ」でした。皆さんも、ぜひ調べてみてくださいね。

[文責=くぼようこ]

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