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働き方改革関連法案のポイントを整理

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(複数法案のパッケージだからこそ、一つ一つの法案に注意を払う必要がある。)[画=photoAC/はむぱん

2018年4月6日に第196回国会に提出された働き方改革関連法案。安倍政権は法案成立に意気込む一方、裁量労働制に関するデータの正確性に不備、高度プロフェッショナル制度などへの懸念など課題は山積。今日は働き方改革関連法案のポイントを整理します。

働き方改革関連法案とは?

仕事に従事するにあたって、私たちの権利や雇用側の義務はさまざまな法律によって定められています。

まず労働者の基本的な権利(1日の労働時間や休憩時間など)や企業の義務、各種規則などを定めた「労働基準法」。危険な環境などでの労働や職場環境の衛生に関する「労働安全衛生法」、アルバイトやパートタイマーの権利や契約に関する取り決めを行なっている「パートタイム労働法」、企業と労働者の間で結ばれる労働契約に関する「労働契約法」、派遣労働者に関する制度「労働者派遣法」です。

働き方改革関連法案は、これらの労働に関するさまざまな法律の改正案を複数束ねたパッケージです。

厚生労働省のWebサイトを基に、以下にポイントをまとめていきます。

長時間労働の是正

時間外労働時間の上限を設け、一定時間以上の残業にはより高い時間外労働手当を定め、企業には有給休暇の社員の強制取得と社員の労働時間の実態管理を義務付けることとしました。

時間外労働時間に上限

これまで時間外労働時間というのは、いわば「努力目標」のような「原則」と呼ばれる上限と、半年間は労働時間に制限がかからないという「特例」がありました。

これを今後は年720時間、休日労働を含む月100時間未満とするとしています。

割増賃金の増額

月60時間を超える時間外労働に対して、これまで中小企業は割増賃金(50%以上)を支払う必要がありませんでした。しかし平成35年度からは、中小企業にも対象が広がることとされています。

有給休暇の取得

年10日有給休暇が付加される労働者には、内5日間を毎年必ず取得させなければならない、というものです。

勤務間インターバル制度の推進

また前日と当日の勤務時間に一定の時間以上のインターバルを設ける制度です。

柔軟な働き方の実現

一方で、柔軟な働き方の実現に向けては、フレックス制の更新や高プロなどの制度が検討されています。

フレックス制については、これまで企業は1ヶ月分の労働時間を定めて、その時間数社員個人の判断で働く、という流れでしたが、その時間を3ヶ月とすることが検討されています。

高プロについては以下の記事を参照してください。

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同一労働同一賃金

同じ業務にあたっているにも関わらず、正社員の方がアルバイトより高い・採用条件が良いケースがあります。これを是正し、非正規雇用の労働者も同じ業務をしている以上は同等の待遇を行う、というものです。

働き方改革関連法案の課題点

本法案はここまで見てきたように、主に①長時間労働 ②柔軟な働き方の実現 ③同一労働同一賃金 の3つのために検討されています。

しかし裁量労働制の根拠として提示されたデータに不備が見つかったり、「高プロ」のように、企業側の論理で規制緩和になったものが、じわじわと対象拡大し、一般の労働者にとって不利になるのでは、という懸念があるものもあります。

4月に法案が提出され、しばらく野党不参加の中、国会審議が進んできました。今期の通常国会の閉会までおよそ1ヶ月。今後の審議に注目です。

 

[文責=くぼようこ]

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