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幼保無償化が2019年10月からスタート、海外との違いは?

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(2019年10月。消費税は8%→10%へ増税される予定で、それに合わせて幼保無償化も進められる)[画=photoAC/まんだむ]

報道各社が、0〜5歳の乳幼児の保育について政府が2019年10月から無償化すると発表。幼保無償化は、2019年から段階的に実施される予定でした。今回の延期or前倒と言われている決定について、整理していきます。

幼保無償化とは

幼稚園や保育園が無償になる、というニュースを何となく聞いたことがある人もいるでしょう。

話の発端は2017年の衆院選挙です。幼保無償化を公約の1つに掲げた自民党が第1党の座を維持すると、12月、第4次安倍内閣は幼保無償化を含む2兆円規模の経済政策パッケージを閣議決定しました。

幼保無償化とはその名のとおり、0〜5歳の乳幼児にかかる保育・幼稚園にかかる負担を減らそう、というものです。

無償になるもの・ならないもの

閣議決定の時点では、認可外保育園は無償化の対象外とされていました。

ところが「認可保育園は無償化されて認可外は対象外というのは待機児童増加に繋がる」などさまざまな議論が進み、現時点では、無償化の全体像は以下のようになっています。

  • 0〜2歳児保育は年収250万円未満(程度)の住民税非課税世帯のみ
  • 3〜5歳児保育・幼稚園については認可・認証・認可外・幼稚園・預かり保育いずれのケースも全世帯を対象に無償とする

▼認可・認証・認可外保育園の違いについて知りたい方はコチラ

www.educedia.org 

全面無償化は消費増税と同じタイミングに

元々、幼保無償化は2019年から段階的に行われるとされていました。

まず2019年4月に5歳児の幼稚園・認可保育園が無償化され、その後2020年4月から、0〜4歳が所得に応じて無償化される、という予定でした。

しかし2019年10月に消費税が10%にUPするため、子育て世代の負担感の軽減のため、無償化を同時期にすることにした模様です。

先進国の幼稚園・保育園にかかるお金は?

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[画=photoAC/acworks]

日本の幼保無償化は、先進国ではあまり珍しいことではありません。もちろん日本よりもよっぽど高い国もありますが、一部無償化されている国もあります。

ここからは先進国の幼稚園・保育園にかかる費用について、参考に見ていきましょう。

保育料が日本の初任給クラスの米国

米国ではK-12(キンダーガーデン〜12年間)が義務教育のため、日本の幼稚園年長と同じ年頃の子どもたちは無償で幼稚園に通園します。

一方で幼稚園に入る前は、デイケアと呼ばれる保育園や幼稚園に近いプリスクール、ベビーシッターを利用し、その価格は都市部で月に20万円を超えることもあり、日本よりも高価だと言います。

公立は無償のイギリス

イギリスでは日本よりも1年早く小学校に通うので、5歳未満の子どもは保育園に近いナーサリー、幼稚園に近いプリスクールのいずれかに通います。

まずナーサリー(保育園)には生活困窮世帯のための公立・無償のナーサリーと、私立・有料のナーサリーがあります。また、プリスクールは公立で無償(ただし競争率高)と、私立で有料のプリスクールがあり、親はいずれかを選んで通園させます。

日本では3歳以上の子どもは認可・認可外問わず無償にしようとしているのですから、太っ腹とも言えるかもしれません。

フランスは幼稚園無料

フランスの幼稚園は公立が非常に多く、無償です。一方、3歳以降の子どもたちは幼稚園に通園するのに対し、3歳未満の子どもたちが通う保育園・一時保育・保育ママ(保育士資格を持っているママなどの自宅で保育する)は、収入に応じ10段階で決められた金額を支払うこととなっています。

ちなみにフランスは今後、義務教育を3歳まで引き下げることとしており、幼稚園への通園率は現時点で既に95%を超えています。

今日は幼保無償化について見ていきました。

先進国の子育て事情と比較すると、日本は幼保無償化の点で遅れているとは言えず、フランスほど子育て世代に親切ではないと言えど、米国に比べては配慮されていると言えるかもしれません。

[文責=くぼようこ]

※ Educediaは主宰者の研究・論考を目的としています。記事に含まれる情報は、読者の皆様ご自身の責任においてご利用ください。また、本記事の情報は記事公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性があります。

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