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プログラミング教育とは【注目ツール4選】

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(プログラミング教育とは、パソコンの使い方を教える教育ではない)[画=photoAC/umii

2020年から小中学校で新学習指導要領での教育がスタート。その一つとしてプログラミング教育が注目されています。今日はプログラミング教育とは何か見ていきます。

AI時代にプログラミング的思考を育む

プログラミング教育が導入された背景には、将来変わると予想される雇用の問題があります。2016年に文部科学省が発表した「小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議」議事録によると、新しい時代の教育の意義について、このように明記されています。

小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ):文部科学省

最近では、「第4次産業革命」ともいわれる、進化した人工知能が様々な判断を行ったり、身近な物の働きがインターネット経由で最適化されたりする時代の到来が、社会の在り方を大きく変えていくとの予測がなされているところである。(略)


その一方で、“人工知能の進化により人間が活躍できる職業はなくなるのではないか”“今学校で教えていることは時代が変化したら通用しなくなるのではないか”といった不安の声もあり、それを裏付けるような未来予測[1]も多く発表されているところである。

[1]今後10年~20年程度で、半数近くの仕事が自動化される可能性が高い(マイケル・オズボーン氏(オックスフォード大学准教授))との予測や、子供たちの65%は将来、今は存在していない職業に就く(キャシー・デビッドソン氏(ニューヨーク市立大学大学院センター教授))といった予測がある。

AI技術の根幹を担っているのは、ディープラーニングと呼ばれる、機械に大量データを分析させ、導き出した共通項を新しい条件や事象に当てはめて考えさせるというもの。

機械が情報の詰め込みと分析によって、与えられた問題に解決策を導き出すのに対し、有識者会議では「人間の役割は感性を働かせより良い未来を考えること、そのために課題を見つけ、状況に応じて解決すること、答えのない課題にも、人との協調の中でより良い策を考えること」としています。

[よくある誤解]コーディングを教えるのではない

こうした時代背景の中で、スタートするプログラミング教育ですが、よくある誤解が「プログラミング(コーディング)を教える」というもの。

プログラミング教育は授業でコーディングを教えるのではありません。端的に言うと、以下の力を育むことを目的としています。

  1. 情報を読み解く

  2. 論理的に考える

  3. 感性を生かしてより良い社会・人生について考える

  4. 課題や問題を自ら見つける

  5. 新しい価値の創造を目指す

これだけでは既存の教育と大きく代わりがないように感じますね。プログラミング教育では、こうした力をテクノロジーが進化した環境の中でも発揮できることを目指すものです。

例えば、「1. 情報を読み解く」力であれば、インターネットを使って情報を検索する、検索した情報を多角的に検証し、理解する力も含まれるでしょう。

あるいは「2. 論理的に考える」力であれば、プログラミングに近しい発想で、機械にどんな順序で・どんな条件付けで命令をすれば、自分の思った通りに動くのか、求める結果からプロセスを逆算する力も含まれるでしょう。

もちろん、中学校・高校に入っていくと、より高度な情報処理などの専門科目を選択できるようにもなります。しかし小学校で目指すのは、単純に「コンピュータを使いこなせる」「コードが書ける」といったことではなく、その基盤となる思考力や創造力を培うことです。

様々な授業の中でプログラミング教育は行われる

そこで、小学校では「プログラミング」という科目ができるわけではありません。算数や理科、音楽など、様々な授業の中に、プログラミング的思考を育む授業を取り入れることになります。

例えば、算数の時間はまさしくプログラミング的思考を育むのにうってつけです。プログラミング的思考とはプロセスを分解して処理を実行させること。例えば筆算を例にあげると、35×13= という式があったら、1の位と10の位を分解してそれぞれに計算する、というプロセスを子どもたちに理解させることが重要になります。

例えば理解ならば、電気の仕組みを理解する過程で、身近な電気製品がどのような働きで動いているのか、想像を巡らせることも重要です。また、生物の身体の仕組みを学ぶ過程では、無機的なものとは異なる、生命の美しさや生き物の身体に秘められた驚きの力に気づき、それを人間が機械にどのように応用しているのか考察させることもできます。

音楽であれば、音の仕組みを学び、電話や音楽プレイヤーなどが、どのように音を出しているのか、伝えているのかを考えることもできるでしょう。

授業では必ずしもパソコンやタブレットを使わなくても良いとしています。身の回りに溢れているテクノロジーを、ただ便利なものとして使うのではなく、その背景にある技術を考察し、身近な現象、授業で得た学びをリンクさせることが重要なのです。

各社が提供するプログラミング教育ツール

こうしたプログラミング教育への関心の高まりを受けて、様々な企業がツールを提供しています。筆者が注目するツールを4つご紹介します。

グリコ「GLICODE(グリコード)」

 

cp.glico.jp

お菓子メーカーのグリコが提供している無料アプリ「GLICODE(グリコード)」。あまりにも有名なので詳細の説明は差し控えますが、ポッキーなどのお菓子を組み立ててスマホアプリをかざすと、アプリの中のキャラクターがポッキーの並べ方をプログラムとして認識して命令通りに動く、というものです。小学校低学年から遊べ、身近なお菓子を通じ「求める結果からプロセスを逆算し機械に命令を送る」プログラミング的思考を身につけられるとしています。

レゴ We Do 2.0

afrel.co.jp

レゴ We Do 2.0は低学年から遊べるGLICODEに比べると、やや高学年向けです。レゴのパーツを使ってロボットを組み立てることができ、タブレットやパソコンに専用のソフトウェアをダウンロードすると、命令を入力して動かすこともできる、というものです。レゴパーツに、命令を受信する装置や、物体や傾き・揺れなどを感知するセンサーを搭載するところから経験し、実際に動かすことで、ロボットが動く仕組みを学習できる、というわけです。

OZOBOT(オゾボット)

https://www.ozobot.jp/ 

手の平サイズの可愛い ロボットが、紙の上に引いたマーカーの色や形を認識して動くOZOBOT。黒いマーカーのラインに沿って動くのが基本で、配色を変えることで「方向転換」「回転」「点滅」など、命令をロボットに下すことができます。大人でもつい夢中になる面白さです。日本国内やAmazonでも購入できます。

BOSE Build Speaker Cube

build.bose.com

スピーカーメーカーのBOSEが音の仕組みを学習する装置として米国内で発売しているのがBOSE Build(ボーズビルド)というプロダクト。スピーカーを組み立てながら、音波の長短で音の高低が変わる仕組みや、音の振動、スピーカー自体の作りを学習することができます。Webサイト上で購入できますが、配送が米国内限定なのがネックです。 

まとめ

プログラミング教育で重要なことは、論理的な思考能力を育み、技術的な背景と身近な事象を繋げて考えること、ツールを使い創造力を伸ばすことに他なりません。

後半でご紹介したプロダクトは、いずれも大人もワクワクするようなものばかり。ぜひご自身でも触って楽しんでみてくださいね。

[文責=くぼようこ]

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