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シンガポールの大学事情・入試制度 | NUSとは

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(シンガポール留学のメリットは費用の安さと奨学金プログラムの充実。アジア各地から優秀な学生が集まる環境も魅力的だ。)[画=photoAC/もえ

英タイム誌のTHE(Times Higher Education)2017年アジアの大学ランキングでNUS(シンガポール国立大学)が首位に輝きました。(東京大学は同ランキングで7位)今日はアジアのビジネスのハブ、シンガポールの大学事情を見ていきます。

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シンガポールの大学事情

在シンガポール日本国大使館の資料によると、シンガポールの大学は4校。

ポリテクニック(高等技術専門学校)への進学が43.4%であるのに対し、国内の大学進学率は26%と、日本と比較してもあまり高くはありません。

1年間は2学期制の「セメスター制」で、1〜5月、6〜11月に分けられます。

THE首位のシンガポール国立大学

シンガポール国立大学は大学院生を含めて約3万人が通学しており、その3分の1は留学生です。交換留学、ジョイント・ディグリーなど留学生誘致に力を入れています。

アジアや日本国内の留学生が多く、注目される背景には、手厚い留学生受け入れ体制にあります。

シンガポール国立大学では奨学金のプログラムが複数あり、例えば大学院生向けには卒業後の就業条件の無いNUS Research Shcolarshipは、年間の授業料に加え1月2,300シンガポールドル(2018年2月時点為替レートで18万4,000円)が支給されます。1人・2人暮らしであれば十分に生きていける金額でしょう。

その他にも理系学生には、卒業後数年のシンガポールでの就業を条件に、より厳しい審査と好待遇のある奨学金プログラムもあります。優秀な留学生をアジア各地から集め、シンガポールに定着してもらうことで、国力を高めようとする戦略がうかがえますね。

シンガポールの入試制度

シンガポールの大学や入試などの制度は、イギリスに似通っている点が多々あります。イギリスは16歳の義務教育修了段階でGCSE(General Certificate of Secondary Education)を受験し、その結果次第で2年間の大学進学準備のための教育課程「シックス・フォーム」でAS、Aレベルの2種類の試験を受験し、その成績で進学希望大学の合否が決定しました。

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シンガポールにおけるGCSEはGCE O(Ordinary)レベルと呼ばれます。Oレベル試験の結果次第で、イギリスの「シックス・フォーム」同様の2年間の大学準備課程「Junior College」に進学でき、GCE(General Certificate of Education) Aレベルの結果で大学進学の可否や進学先が決定します。

今日はシンガポールの大学事情を見ていきました。

シンガポール国立大学への留学は、米英への留学費用の捻出が難しく、卒業後にシンガポールでの就業を望む場合や、幼少期の留学経験によって英語ネイティブになった方(逆に日本語は得意でなく日本での就労にハンデを感じる方)などにも適していると考えられそうです。

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[文責=くぼようこ]

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