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ボローニャ・プロセスとは【欧州高等教育大臣会合】

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(留学生を増やすためには、お互いの国に帰っても評価される教育・認証制度が重要。欧州では1999年から取り組みを進めている)[画=photoAC/カメラ兄さん

1999年から欧州内で始まった、高等教育に関する標準化と教員・学生交流を促進していくためのボローニャ・プロセスについて見ていきます。

ボローニャ・プロセスとは?

1999年にイタリアの〜の都市、ボローニャにて行われた、欧州高等教育大臣会合にて欧州29ヶ国の大臣が署名した「ボローニャ宣言」を皮切りに進められている、欧州や関係国との教育制度改革のこと。

欧州各国が高等敎育に関し連携可能な状態を作ることで、欧州高等敎育圏(Europian Higher Educational Area:EHEA)を確立することを目標としていました。

1999年にEHEAの確立を2010年までの目標とすることで「ボローニャ宣言」が行われた後、2009年にはさらにボローニャ・プロセスの2020年までの継続が決定。日本をはじめとする関係国も含め国際敎育協力を行う体制作りに向けて議論を行う、ボローニャ政策フォーラムが毎年開催されることとなりました。

ボローニャ宣言とは

1999年のボローニャ宣言で29ヶ国が合意したのは、要約すると以下の内容です。

・バラバラだった学位制度を比較可能なように標準化する
・3年以上の学士課程とその上の修士・博士課程を全ての国で導入
・学士・修士・博士のレベル感と社会的な評価を欧州内で揃える
・学生・教職員交流と人材流動(モビリティ)の促進
・欧州内の大学で単位互換制度を導入する
・欧州の高等教育について特徴・特性を際立たせる

コミュニケ(共同宣言)の骨子

ボローニャ宣言以降、2年ごとに大臣会合が開催され、「コミュニケ(共同宣言)」が発表されました。それぞれのコミュニケ(共同宣言)の骨子は以下のとおり。

・プラハ・コミュニケ(2001)
 生涯学習をボローニャ・プロセスにおける重要な位置づけとする

・ベルリン・コミュニケ(2003)
 教育の質の保証について言及
 アクレディテーション(外部による主に高等教育機関に対する評価・認証:適格認定)などによる第三者評価を行うこと

・ベルゲン・コミュニケ(2005)
NQF(National Qualifications Framework:国家資格フレームワーク)を全ボローニャ参加国が制定すること
NQFは国家が認定する学位・資格のことで、レベル分けされ高校卒業段階ではレベル○相当、学位をとるとレベル○、博士はレベル○、という具合に定められている。

・ロンドン・コミュニケ(2007)
ボローニャ・プロセスにおいて欧州内だけではなく国際的なパートナーシップを強化する

・ルーヴァン・コミュニケ(2009)
2010年以降も、教育の質向上や、教育・就職を目的とした人材流動(モビリティ)、生涯教育の促進、国際教育協力を重視する

・ブタペスト・ウィーン宣言(2010)
ルーヴァン・コミュニケを受けてボローニャ・プロセスを継続することで一致

・ブカレスト・コミュニケ(2012)
2020年までに欧州の学生の20%の流動(モビリティ)を達成することを目標設定

(参照:大学評価・学位授与機構 | 国際的な共同教育プログラムの質保証

欧州各国の教育制度を見ていくと、確かに卒業認定・入学認定にも異なる標準が設けられ、大学の年数も異なるなど、様々な違いが見られました。ボローニャ・プロセスにより欧州内の教育標準化、強みや特長を打ち出したブランディングが進むことで、教育を通じ人材交流や流動が活発化すると期待されます。

[文責=くぼようこ]

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