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EdTechアワード(GESA)に見るEdTech事例

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(日本のノートシェアアプリも優勝。EdTechのコンペティションGESAに注目。)[画=photoAC/RRice

今日はEdTechのスタートアップ・アワード「GESA」の優勝企業から、EdTech事例を紹介します。

GESAとは

GESA(Grobal EdTech Startup Awards:グローバルEdTechスタートアップアワード)は、2014年に創始されたEdTechのコンペティションです。Wikipedia創始者のジミー・ウェルズをはじめとする審査員が応募企業の中から最優秀賞を表彰します。

中東やヨーロッパを中心に世界のスタートアップが参加

GESAはイスラエルのインキュベーターMindCETと、EUの制作執行機関である欧州委員会が支援するインキュベーターOpen Education Challenge、そしてイギリスのEdTechUKによって創設されました。2014年からの4年間で70ヶ国2,000以上のEdTechスタートアップ企業が応募しています。

賞金は総額5万ドル

Winnerに選出された企業には、総額5万ドルの賞金の他、アントレプレナーによるアクセラレータープログラムへの参加機会やメンターシップ、PRの機会などが提供されます。予選会を世界各地で実施し、勝ち上がった企業が決勝のコンペティションに参加します。

GESA優勝企業に見るEdTech事例

それでは実際にこれまでGESAで優勝したサービスを見ていきましょう。

GESA2017優勝は日本の「Clear」

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2018年1月にロンドンで行われたコンペティションで優勝したのはなんと日本企業。学習ノートシェアアプリ「Clear」や学習塾向けの指導報告作成ツール「Link」などを提供しているアルクテラスです。

「Clear」のポイントは、授業中に書いたノートをアプリ内に取り込んで、さらに読みやすく加工できたり、SNS機能を通じて公開することができること。「ノート職人」の学生インサイントをよく掴んでいます。ユーザは他の人が上げているノートを通じて学習内容の理解を深めることはもちろん、アップした自分のノートにいいねがつくことで、さらにモチベーションを高めることができます。

GESA2016 優勝「Edovo」

2016の優勝企業「Edovo」は受刑者や更生保護施設などにいる人々を対象にした教育プラットフォーム。アクセス制限がかけられたデバイスを通じ、学業を習得するだけでなく、職業訓練や生活訓練など更生に通ずる適切な教育を受けることができます。

GESA2015 優勝「Kytabu」

ケニア発の「Kytabu」は低所得者層に向けたデジタル教科書。ケニアでは可処分所得の45%が子どもたちの教育費用に当てられ、その約半分が教科書のコストと言われています。Kytabuは太陽光で作動する非常に安価なタブレットにデジタル教科書をダウンロードすることができる仕組み。教科書は1冊からでも、章ごとにも購入することができます。

先進国の多くは教科書を無償で提供しているためこのシステムをそのまま使うことはできませんが、ソーラーで動く点や章ごとにコンテンツを購入できるアイデアは参考になります。

GESA2014 優勝「BrightBytes」

BrightBytesはEdTech企業向けにBtoBでデータマネジメントサービスを提供しています。EdTechが持つ可能性は、もちろんユーザーの学習体験の向上もありますが、もう一つ、学習者のデータを取得・活用することにもあります。例えば学習者の行動データを蓄積・分析し教材を改善したり、高い学習成果に繋がった学習者の行動を分析するなどのことが可能になります。

今日はGESA優勝企業を過紹介しました。アワード自体は現在少しずつ拡大しており、優勝賞金も2015年の1万ドルから5倍に増え、EdTech産業の成長や社会の期待が伺えます。 

[文責=くぼようこ]

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