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2017年 都内待機児童数ランキング

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(どの区も頑張っていないわけではないが、圧倒的に保育サービスの数は足りていないのが現状。)[画=photoAC/バカボン君

毎年7月、東京都が市区町村の保育サービスについて毎年のデータを更新・公表しています。今日は東京都の報道資料から、2017年度の数値を紹介します。

都内の待機児童数は?

女性が妊娠・出産を考えるにあたり、キャリアを継続できるのか、復職できるのか、という点は大いに不安に思う点。

もちろん専業主婦を考える方もいるかもしれませんが、今の仕事や勤め先、自分の収入を細くとも長く維持したいという方は少なくないでしょう。

そこで、今日は気になる、東京都内の待機児童数について見ていきます。

都内の就学前児童は64万人

東京都の調査によると、都内には小学校に通う前の6歳未満の子どもたちが64万人います。保育サービスを利用する児童は全体の43%で、認可保育園の利用者がおよそ24万人、認証保育園が2万人、認定こども園が5,300人です。

東京都では保育園の設置を推進しており、毎年100〜200ヶ所新設。定員数は毎年1万人〜1.5万人増えていますが、2017年時点での都内の認可保育園の数は2,558ヶ所。

ただし都内の就学前児童の数は年々増加しており、年度によっては5,000人児童が増えることも。そのため保育園の定員が仮に1万人分増えても、その内半数は相殺されてしまいます。

待機児童数ワースト区は世田谷区

市区町村別に待機児童数の差異を見てみると、ワーストランキング10位の結果は以下のとおりでした。

  • 1位:世田谷区(861人)
  • 2位:目黒区(617人)
  • 3位:大田区(572人)
  • 4位:江戸川区(420人)
  • 5位:府中市(383人)
  • 6位:中野区(375人)
  • 7位:足立区(374人)
  • 8位:中央区(324人)
  • 9位:江東区(322人)
  • 10位:調布市(312人)

注意したいのは「待機児童と言っても一つの区で最大861に人しかいないのね」とタカを括ること。

待機児童数には、母親が働きたいけれど最初から諦めて家庭に入ることを選んだ数字は含まれていません。

世田谷区は保育サービス利用者が37.2%

そこで参考にしたいのは、就学前児童の人口と、実際に保育サービスを利用している児童数のギャップ。

ワースト1位の世田谷区では、就学前児童が4.4万人ほどいて、内保育サービスを利用しているのが16,500人。37.2%しか保育サービスが利用できていません。

このギャップは就学前児童数が少ない市区町村ほど成績が良い傾向があり、奥多摩町は115人の児童の内、101人が保育サービスを利用。8割を超えています。

待機児童0の市区町村はここだ!

一方で、待機児童が0という市区町村もあります。多くは市町村になりますが、千代田区・豊島区は待機児童0です。

千代田区、豊島区、福生市、羽村市、日の出町、檜原村、奥多摩町、大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ヶ島村、小笠原村

頑張っている区は杉並・豊島・練馬

2016年と2017年の保育サービス利用児童数を比較した際に、世田谷・杉並・練馬は1,000人以上サービス利用者を増やしていました。

世田谷は児童が4.4万人もいるので、まだまだアクションは足りないと言えます。

一方、杉並は児童数2.4万人に対して1,300人もサービス利用者を増やしました。割合は大きく、区として積極的に保育サービスの充実を進めていることが伺えます。

また2017年に待機児童数0になった豊島区は、1万人の児童数に対して500人利用者を増やし、割合で見るとなかなか子育て世代の支援に力を入れている区と見えそうです。

 

入園保証のついた物件などもある中、子育て世代が家を選ぶ際に保育園への入りやすさも検討材料の1つとなります。

「親の都合で赤の人に我が子を預けるなんて…」と眉をひそめる時代はとうに終わり。

行政が分断された地域コミュニティの代わりを担い、社会全体で子どもを育てる機運がもっと高まっていけば、と切に願います。

[文責=くぼようこ]

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