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人づくり革命とは | 3分でわかる骨子まとめ

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(子どもの教育に対する負担の軽減と人生100年時代に向けた学び直しやセカンドキャリアを築く支援策などが盛り込まれている)[画=photoAC/acworks]

2018年6月13日、官邸主導の「人生100年時代構想会議」で「人づくり革命」基本構想が取りまとめられました。2019年からの幼児教育無償化、所得に応じた高等教育無償化など、政策の方針がまとめられています。今日は「人づくり革命」について見ていきます。

人づくり革命5つの項目

「人づくり革命」については、首相官邸 人生100年時代構想会議のページにて基本構想が公開されています。

その内容は以下5つのポイントに集約できます。

  • 幼児教育の無償化
  • 高等教育の一部無償化
  • 大学改革
  • リカレント教育
  • 高齢者雇用の促進

既に以前の記事でも紹介していますが、 分かりやすく一つずつ嚙みくだきましょう。

幼児教育の無償化

6歳で義務教育の学校に進学する前の児童を未就学児と呼びます。

生まれてから5歳までの未就学児を0〜2歳と3〜5歳に分け、2019年10月から3〜5歳児は完全無償化、0〜2歳児は住民税非課税世帯に限り無償化となることが予定されています。

基本構想ではさらに、幼稚園・保育園・認定こども園以外の、幼稚園の預かり保育や、指導監督の基準を満たした認可外保育施設・ベビーホテル・ベビーシッターについても無償化の対象とする旨が明記されています。

ただし無償化には上限額があり、認可保育所の月額保育料の全国平均(0〜2歳児は4.2万円/月、3〜5歳は3.7万円/月)までとなります。

さらにこの2018年夏には、2023年度末までに放課後児童クラブについて約30万人分の受け皿拡大、育成支援の質向上に向けた新しいプランも発表される見込みです。

高等教育の一部無償化

住民税非課税世帯(年収270万円未満)の子ども達に対し、2020年4月から大学の教育費用が減免される他、年収300万円未満世帯、380万円未満世帯についても、支援が行われます。

支援対象者に対しては、高等学校在籍時の成績だけで否定的に判断せず、レポートの提出や面談などを通じ、本人の学習意欲を確認するものとしています。

また、支援措置の対象となる大学の要件については、産業界などの外部人材の理事任命が一つとして上がっています。

大学から反発の声も上がっているようですが、現状構想から落とされる見込みはないようです。

大学改革

世帯年収の格差が子どもの格差に繋がらないように配慮された高等教育無償化ですが、一方で質の低い大学に生徒を送り込み続ける訳にもいきません。

無償化は学校側の教育の質向上とセットになっています。

  • 大学の具体的な方向性を明らかにする。私立大であれば世界を牽引する人材の育成・専門人材育成・職業スキルの習得のいずれかを踏まえた教育を行う
  • 実務者教員の採用や外部人材の視点を取り入れたプログラムの実現
  • 学生が在学中に身に付けた能力・付加価値の見える化
  • 外部人材理事の登用をはじめとし経営力を強化
  • 一法人で複数大学を運営するなど大学同士の連携・統合を行う
  • 高度専門学校の高度化や専門学校における実践的な職業訓練の促進

リカレント教育

社会に出てから学校などで学び直し、自分の知識やスキルをアップデートするリカレント教育と、以下に紹介する高齢者雇用の促進は、連動して考えられる施策です。

まずリカレント教育の促進においては、教育訓練給付金の拡充が既に行われています。

そのほかにも、AI、センサー、ロボット、IoT、経営管理、農業技術、看護、保育など20の重点分野を対象とした大学・専門学校・民間教育訓練機関でプログラム開発や、技術者向けのリカレント教育コースの設置、仕事をしている人に向けた夜間・土日の教育訓練コース・オンラインコースを充実させるための各種支援、実務者教員の育成、企業OB・シニア人材の生産性向上コンサルタントへの登用などが検討されています。

また、企業が求職者の年齢に関わりなく中途採用を行うよう、各省庁が一丸となって働きかけるともしています。

高齢者雇用の促進

まずは定年の65歳以上への引き上げ(公務員は65歳)、中高年の基礎的なITスキル向上のための教育訓練の拡充、高齢者のトライアル雇用促進について明記されています。

 

今日は「人づくり革命」基本構想について見ていきました。 

[文責=くぼようこ]

※ Educediaは主宰者の研究・論考を目的としています。記事に含まれる情報は、読者の皆様ご自身の責任においてご利用ください。また、本記事の情報は記事公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性があります。

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