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フランス 教育制度まとめ | コレージュ・リセとは

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(幼稚園から大学まで無償のフランス。日本人の私たちからすると夢のような話だが、大学進学率は日本より低い。)[画=photoAC/はむぱん

文科省発表「諸外国の教育統計平成29(2017)年版」を基に、諸外国の教育制度をまとめます。今日はフランスの教育制度をテーマに見ていきます。

フランスの学校制度

フランスの義務教育は6〜16歳までの10年間で、「5−4−3」制の最後の2年間は義務教育外となります。初等教育と中等教育前期は全ての児童が同じように5年間の小学校、4年間のコレージュに通学します。

進路が変わるのは15歳のタイミング。

フランスでいうところの高校(リセ)は、一般教養の学習と大学進学準備としての3年制のリセと2〜4年制の職業訓練リセの2種類があり、コレージュを卒業した学生の87%がリセに進学します。

義務教育は16歳で終わるため、留年した場合はリセに進む前に義務教育が終了することとなります。

就業前教育「エコール・マテルネル」

就業前教育の幼稚園に該当するものは「エコール・マテルネル」と呼ばれ、小学校から始まる集団教育に慣れるための教育が、2歳から段階的に始まります。

フランスの幼稚園はほとんどが公立(私立は1%ほど)のため、無償で通園でき、1日6時間、週4日程度の教育が受けられます。

 

▽フランスの学校系統図

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免状・証書社会 フランス

フランスではそれぞれの教育課程を修了する毎に、その個人の養成レベルを示す免状・証書が発行されます。

免状・証書はレベル6からレベル1まで分けられ、レベル6で日本の中学校卒業レベル、学士・修士・博士取得レベルでレベル1または2と見なされます。(東洋大学 中上光夫, 2011

フランス・バカロレア

リセまたは職業リセを卒業時には、学生たちは共通テストを受験します。これを「バカロレア」と言います。

世界的に通用する卒業資格・大学入学資格である国際バカロレア(IB)とは異なり、ナポレオンの時代に始まり、フランス内のみ利用されているものです。

バカロレアには普通バカロレア技術バカロレア・職業バカロレアの3種類があり、3年制のリセでは、志望する大学の専攻に沿った科目を学習・受験します。職業リセでは、職業バカロレアの取得を目指す課程とそうでない課程があり、取得をする場合は4年間通学することとなります。

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職業リセ

職業リセでは、BEP(職業教育修了証:Brevet d'études professionnelles)と CAP(職業適任証:Certificat d'Aptitude Professionnelle)の2種類の熟練労働者資格を取得できます。

BEPは秘書や経理などの事務系の資格で、CAPは料理や工業など、職人的な資格です。CAP・BEPは最終学年で試験を受験することで得られるバカロレア資格に対し、1つ下の養成レベルと見なされます。 

高等教育の日仏比較

ここから日仏の高等教育について、大学・短大の進学率と、大学の授業料について比較していきます。

大学・短大進学率

日本:大学・短大進学率 56.8%(H28学校基本調査より

フランス:大学・短大進学率 53%(在日フランス大使館Webサイト

フランスは長年、大学・短大進学率が40%台に止まり、改善を課題としていました。合格率8割のバカロレアに合格すればどの大学でも入学できるというのに大学進学率が低い背景には、大学に入学しても初年度で半数近くが脱落するという厳しさと、学生の経済的格差、の2つがあると言われています。

大学の年間授業料

フランスの大学はほとんどが公立で、授業料も無償。登録料の2万3,800円程度で通学が可能です。日本が年間100万円単位で学費を家計負担しているのに対して、非常に安価に高等教育が受けられます。

まとめ

外務省ホームページによると、フランスの2018年1月時点での人口は6,718万人。日本より人口は少ない一方で、右肩上がりには伸びています。

しばしば日本のメディアでも、フランスでの子育てのしやすさが話題に上がります。

幼稚園から大学まで無償教育が提供されることや、今回は言及しませんでしたが、生後3ヶ月から子どもを預けられる保育園の充実など、子育てに対する社会支援の手厚さが際立っています。

とはいえ、一般的な商品にかけられる消費税率は20%と非常に高いですし、第一次産業従事者と都市で働くホワイトカラーの間での格差も大きく、大学進学者のドロップアウト率の高さなど、フランス社会も課題を抱えており、教育を重視する姿勢のマクロン大統領の動きにも注目が集まります。

[文責=くぼようこ]

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