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サドベリー教育とは | 教員を生徒が採用する究極の自治

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(サドベリーは時間割も決まった授業も教師もない。全て生徒自らの自治と自律によって進められる)[画=photoAC/acworks

日本国内にも比較的多数のスクールがある、米国マサチューセッツ州発のサドベリー教育。フリースクールとして見なされていますが、子どもの自主性・自治の精神を伸ばす教育方法が特徴です。

サドベリー(Sudbury)教育とは

サドベリー教育は1968年、マサチューセッツ州フレイミングハムで創立した「サドベリー・バレー・スクール」を発端に広がりました。主にK-12(幼稚園から高校卒業年齢)までの生徒が対象です。

サドベリースクールは別名「デモクラティックスクール」とも呼ばれ、時間割が無く、子ども自身の関心の赴くままに学習を進めること、学校自治に生徒自らが深く関わることが特徴です。

サドベリー・バレー・スクール

サドベリー教育のきっかけとなったサドベリー・バレー・スクールには、現在4歳〜19歳までの子ども達200名程度が通学しています。学費は年間$9,500(約105万円)。決して安い金額ではありませんが、米国の一般的な私立学校に比べれば十分に安い金額です。

サドベリー・バレー・スクールのWebサイトで紹介されている学校のビデオを見ると、学校の周辺環境は非常に自然豊かでのどか。様々な年次の子ども達が一緒に校庭で遊んだり、読書をしたり、話をしたり、パソコンを使い学習を進めたり、スポーツをしたり、ビデオの制作に取り組んだり、音楽室でセッションをしたり、カードゲームをしたりと、のびのびと過ごす姿が伺えます。

教師は不在・選挙で選ばれた「スタッフ・メンバー」が在籍

サドベリー・スクールに教員はいません。大人は「スタッフ・メンバー」と呼ばれ、時に学習支援として時に生徒の理解を促すよう教えることもあれば、ディスカッションし、学校運営のために必要な活動を行います。

スタッフ・メンバーは皆1年間毎の有期契約で、生徒とスタッフ・メンバーが参加するスクール・ミーティングの場で採用・非採用が決まります。

もちろん、生徒が楽器を演奏したい、という時に誰も教えられないのでは困るため、音楽を教えるなど、特定の教授スキルを持ったスタッフ・メンバーも在籍しています。しかしそうしたメンバーも学校自治により採用が決まります。

スクール・ミーティングを通じ自治の精神を育む

このように、サドベリー教育の特徴は、幼少期から学校自治に関わること。生徒は皆、自分の1票を投じる権利があります。その1票は、例えば学校内のルール変更や、予算について、どのようなスタッフ・メンバーを採用するか、あるいは次年度もスタッフ・メンバーを継続的に雇用するかに投じることもできます。

またサドベリー・スクールには司法委員会も存在し、生徒同士の揉め事やいじめ、暴力、ルール違反といったことについて、状況を聴取し、判断を行うのは司法委員会のメンバーです。

まとめ | サドベリー教育とは

今日はサドベリー教育について見ていきました。教員がおらず大人を「スタッフ・メンバー」と呼び、その採用すら生徒自らの自治によって決まる点は非常にユニークであり、徹底した手法です。

一方サドベリー教育においてしばしば議論になるのが、「子ども達は自ら好きなもの・夢中になるものを見つけられるのか」という点。また好きであることと、それで将来お金を十分に稼げるか、という点はイコールにはなりません。子ども自らが、学校生活の中でそういった点に気づき、真に探求の領域に進んでいけるかは未知数です。

[文責=くぼようこ]

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