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Yコンビネーター発 EdTech企業に注目(前半)

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(小・中学生向けeポートフォリオのClassDojo、アプリの一元管理ができるプラットフォームClever、学費出世払い式のプログラミングスクールMakeSchool)[画=photoAC/acworks

シリコンバレーで最も注目されるスタートアップ養成所「Y Combinator(Yコンビネーター)」をご存じですか?DropboxやAirbnbを輩出したこのビジネスブートキャンプでは、EdTech企業に向けたプログラムも実施しています。今回と次回に2回にわたり、Yコンビネーター卒の注目企業をピックアップします。

YC/ Imagin K12プログラム

現在Yコンビネーターで提供されているEdTech企業向けプログラムは「YC/ Imagin K12プログラム」と呼ばれています。これまでに80以上のスタートアップ企業がプログラムに参加しました。

プログラムには、乳幼児〜K-12(米国でいう幼稚園〜高校卒業までの義務教育期間)までの教育だけでなく、職業訓練、高等教育、生涯学習など様々な教育に関するEdTech企業が参加できます。

YコンビネーターのWebサイトによれば、例えばこれまで、児童一人一人に最適化したカリキュラムを提供するもの、生徒同士の連携や共同学習を支援するもの、両親との関わりを深めるもの、学校が児童に与える影響度を測るもの、データサイエンティストを育成するプログラムなど、様々なビジネスモデル・サービス・アイデアを持った企業が参加しました。

Yコンビネーターとは

世界有数のスタートアップ養成所と呼ばれるYコンビネーターは、スタートアップ企業の中でも、シード〜アーリーと呼ばれる創業してまもない企業(もはや2〜3名のチームという規模)を対象に、3ヶ月間のビジネストレーニングを提供しています。一般のベンチャーキャピタルはただ投資を行うだけですが、Yコンビネーターは「アクセラレーター(ビジネスを加速・成長させる機関)」とも呼ばれ、スタートアップが3ヶ月の集中プログラムを終えた後、ベンチャーキャピタルから十分な出資を受けられるまでに成長させることを目的としています。

YC/Imagin K12プログラムとは

このプログラムは、Imagin K12という、アーリーステージにある起業家を支援するアクセラレーターが、2011年から始めました。それを2016年からYコンビネーターが統合し、現在に至ります。

プログラムはYコンビネーターの一般的なブートキャンプと同じ。3ヶ月の中でメンターからビジネスモデルや営業、開発、デザイン、マーケティングなど様々な支援を受け、最終日に「デモデイ」と呼ばれる、投資家や企業を招いたプレゼン&プロダクトのお披露目会を実施する、というものです。

YC出身の注目スタートアップ

それではYCのWebサイトで紹介されている、注目のスタートアップ企業7社を見ていきましょう。今日は前半として3社を紹介します。

ClassDojo

ClassDojoは主に小中学生を対象とした、親しみやすいインターフェースのeポートフォリオ(学習記録)アプリです。学校生活の様々な瞬間(モーメント)を子ども達がスマホなどを使って写真・ビデオで記録し、投稿できます。成長記録には教員や両親がコメントをつけることもできます。

子どもの成長目標を決め、それが出来た瞬間を記録することで成長の軌跡が可視化される他、子ども同士が撮影などを通じ互いに賞賛することで、クラスの一体感やモチベーションを高める狙いもあります。アプリは無料で提供され、現在米国の小中学校の9割で利用されています。

Clever

Cleverは授業で利用するアプリケーションを一元管理し、生徒が1つのIDとパスワードで全てにアクセスできるようにしたプラットフォーム。米国の6万の学校で採用されています。

学校側は生徒の学年や授業の内容によって利用できるアプリケーションを組み替え、ダッシュボード上で学習状況を管理することができます。一方、Clever上に登録されたアプリベンダーは、Cleverを通じて取得した児童の学習データを参照し、アプリ開発・向上に役立てられます。

こうしたデータの取得・利用は、アプリベンダーによって方針も信頼性も異なるのが課題となっていますが、Cleverを利用すれば生徒も保護された環境でアプリを利用することができます。

MakeSchool

MakeSchoolは様々な学習コースを提供している、プログラミングスクールです。プロダクトカレッジと呼ばれる2年制のプログラムでは、社会課題を解決するプロダクト開発を目的とし、様々な大学・企業の専門家達からソフトウェアエンジニアリングを学ぶことができます。

注目すべきは学費の支払い方。米国在住者やビザを持っており米国での労働が可能な人については、就労してから年収6万ドル(約670万円)を超えた時点で支払い義務が発生します。2年間のプログラムは6万ドル(約670万円)で、それをそのまま支払うか、The Income Share Agreement(ISA)という仕組みを利用すると、収入の25%を一定期間収めていくこととなります。ISAはハーフとフルがあり、ハーフは3万ドルを納めその後21ヶ月にわたって所得の25%を支払う方法。フルは42ヶ月にわたり所得の25%を支払い続ける方法です。つまり卒業生が活躍し、年収が増えれば増えるほど、MakeSchoolにも恩返しができる、ということになります。

MakeSchoolは日本法人もあり、六本木でショートプログラムを提供しています。こちらは最初から有料となっており、さらにシリコンバレーの講師が英語で授業を進めるので語学力が必須となっていますが、気になる方は覗いてみてはいかがでしょうか。

明日はYC卒業注目EdTech企業、残りの4社をご紹介します。

[文責=くぼようこ]

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